それだけ言うと、先生は病室から出て行った。


 まるで嵐が過ぎ去ったような気分だ。


 先生からしたらわたしに起こった出来事なんて小さなことなんだろうな。


 わたしにとっては大きすぎるくらいだったというのに。



 ―――クラスのみんなも心配してたの。


 そんなはずはない。


 だって、みんなわたしがいなくたってどうだっていいんだから。
 


 :
 ☁
 :



 高校二年のクラス替えはわたしにとっては悲惨な結果だった。


 仲のいい子が一人もいなくて、周りはあまり仲良くない子たちばかりで、人見知りのわたしはすごく不安だった。