そんなことを呑気に考えていたけれど、病室の扉が開いて中に入ってきた人物を見てわたしは、はっと息を詰まらせた。
「音瀬さん、元気?来るのが遅くなってしまってごめんなさい」
申し訳なさそうに眉を下げてわたしを訪ねてきたのは学校の先生である富永先生だった。
突然のことに動揺を隠すことができずにいたけれど、立ちっぱなしもなんだと思ったわたしは近くにあった丸い椅子に座ってくださいと手で合図を送る。
なんで来たんだろう。
まあ、でも学校的には一度くらいはお見舞いに来ておいた方がいいって感じなのかな。
こんな時でもまだ捻くれてしまっているわたし。