わたしのペースでちょっとずつ前を向いていこう。



【わたしも茉凛にいっぱい愛伝える!】



 スマホに打ち込んだ文字を見て茉凛が屈託のない笑顔を浮かべた。


 しばらく病室で他愛もない話で盛り上がっていると、茉凛がベッド横のテーブルに置いてある折り紙を手に取った。



「紗那、折り紙してるの?」



 どきり、と心臓が大きく跳ね上がった。


 どうしよう……。

 茉凛には想くんとのことを話してみてもいいかな。

 でも、二人だけの秘密だって約束しちゃったし。



【そう!暇つぶしに!】



 考えに考え抜いた結果、わたしは約束を破れなかった。

 ただ、想くんの存在については茉凛に話してもいいかな。