“急がなくていいよ。ゆっくり自分のペースで。
誰がなんと言おうと紗那ちゃんは紗那ちゃんで、他の誰かと比べなくていい。
紗那ちゃんが信じたいと思ったものを信じればいい。
ただ、これからは愛のある言葉だけに耳を傾けて。
一度傷ついた心は二度と元には戻らないんだから”
想くんが紡ぐ言葉はどれも泣きたくなるほど優しくてあたたかい。
その温かさがじんわりと広がってわたしの傷ついた心をそっと癒してくれるんだ。
もう二度と誰の言葉も信じられずに受け入れられないと拒否していたのが嘘みたいに。
わたしはわたしでいい。
誰かと比べる必要なんてない。
想くんに言われるとなんだか元気が出てくる。