だから、わたしも笑顔を浮かべながら画面を見せる。
「それならよかった」
相変わらず、小嶋さんは穏やかな微笑みを向けてくれる。
その優しさがちょっとだけ嬉しく思えた。
ピアノを弾けなかったときの絶望を再び感じて自分のことをさらに嫌いになりそうだったけど、風上くんのおかげで憂鬱な気持ちが少し楽になった気がする。
病室に戻って想くんに返事を飛ばそう。
想くんはわたしに自分のことを教えてくれているのだからわたしも正直に向き合わないとダメだ。
そう自分に誓ってわたしは病室へと戻った。
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