男の子に免疫がまるでないわたしは頭を撫でられただけで心臓が破裂してしまいそうなくらいドキドキしている。



【からかわないでください……】



 わかってる。
 からかわれているってことくらい。


 こんなに優しくてかっこいい人が本気でわたしなんかのことを可愛いと思うわけがないし。

 それでも、この人が紡ぐ言葉には嘘なんて微塵も感じられない。



「からかってないよ。なんか小動物みたいじゃん」



 なんて、笑ってわたしの髪の毛を少しだけすっと掬う。


 そんな仕草にもわたしの単純な鼓動はキュンと甘く音を立てる。

 そんな中、わたしの後ろから誰かが歩いてくる音が聴こえてくる。