「おー、そうやって笑ってる方が可愛いよ」



 彼のぱっちりとした二重の目尻がすぅっと下がる。


 瞬間、彼に言われた言葉とその笑顔にぼっと火がついたみたいに顔が熱くなってくる。


 か、可愛いなんて男の子に初めて言われた……。


 しかもこんなにさらっと言えちゃうなんて。



【あ、ありがとうございます】


「うん、これもほんとのことだから。照れてるのも可愛いし」



 そう言いながら、彼が1歩ずつわたしの方へ近づいてきたと思ったらわたしの頭の上に手を置いて、くしゃりと優しく撫でた。

 またしても予想外の行動にドッドッドッと鼓動が早鐘を打ち始める。


 こ、こんなの反則じゃない……!?