左足の骨が折れているらしく、しばらく自力で歩くことは難しいと言われた。
どこまでわたしは不幸なんだろうと自分の人生を嘆いて乾いた笑いがこぼれる。
声もでない、しばらく自由に歩けない。
生きている意味なんてどこにあるんだろう。
そんなことを思いながら、視線を窓の外へと向けた。
どこまでも果てしなく続く青にペンキで雑に塗り付けられたような白い雲が今のわたしには眩しくてきゅっと目を細めた。
「紗那~、お母さんちょっとだけ買い物に行ってくるね。すぐ帰ってくるから待ってて」
エコバックを手に持ってなるべく明るい声でそう言って手を振るお母さんにわたしは張り付けたような笑顔を返した。