後ろから声がしてわたしが慌ててそちらに視線を向けると、そこにはわたしと同い年くらいの男の子が心配そうな眼差しでわたしのことを見つめていた。
声が出ないのでわたしは息を整えながら何度も必死に首を縦に振る。
すると、男の子は一瞬きょとんとした顔を浮かべた後にふはは、と噴き出した。
声が出ないのがバレちゃったのかな。だから笑ってるのかな。
「いや、そんなに必死で首振らなくてもと思って。ごめん、急に笑っちゃって」
わたしの不安が顔に出ていたのか男の子は笑うのをやめて申し訳なさそうに眉を下げながらそう言った。
ポケットからスマホを取り出してメモを開き、急いで文字を打ち込む。