きっと、彼は優しいから聞かずにいてくれているのだと思う。
そんな時、窓からふわりと紙飛行機が飛んできてわたしの前に落ちた。
あ、想くんからだ!
わたしたちは想くんがオフの日は1日に3回くらいやり取りをしている。
もちろん、想くんは部活があるから毎日ではないけれど。
わたしはワクワクと胸を躍らせながら紙飛行機を広げた。
“俺はサッカーが好きでずっとやってるんだけど、紗那ちゃんは何か部活とかしてるの?”
どきり、と心臓が嫌な音を立てる。
先程まで自分でもわかるくらい頬が緩んでいたのに今は急激に温度が下がって自分の顔が強張っていく。
部活には入っていない。