ぽつり、ともう会えない愛しい人の名前が口からこぼれ落ちる。
瞬間、こちらに向かってくる小さな水色が視界に入った。
……紙飛行機?
それはゆらりゆらりと風に吹かれ、しばらく飛んだあと勢いを失くし、わたしの足元に落ちてきた。
地面に落ちた紙飛行機をそっと拾って、広げてみる。
「っ、」
わたしはそこに書かれていたメッセージを見て思わずその場にしゃがみ込んだ。
“あの時は言えなかったけど、俺の好きな人は紗那ちゃんだよ。
だから、俺の大好きな紗那ちゃんがこれから先もずっと笑っていられますように”
ズルい。こんなのズルいよ。
会いたくなる。今すぐ想くんに会いたいよ。