1週間後。


 ついにわたしが退院する日がやってきた。


 想くんが空になってから、今日までたくさん泣いた。


 泣いても泣いても、心にぽっかりと穴が空いているみたいに寂しい気持ちが消えて無くなることはなかった。


 それでもわたしは前を向いて生きていく。

 だって、想くんがくれた宝物があるから。



「お世話になりました」



 布団やシーツなどがきちんと整えられたベッドの前でわたしは小嶋さんや先生に頭を下げた。


 あれから声が出せるようになったことも両親も病院の人たちも自分のことのように喜んでくれた。


 茉凛にはまだ会っていないから教えてないけど、次に会った時に驚かそうかなと考えてる。