それに、もう次に危険な状態になってしまったら命の保証はない――――。


 そう、さっき想くんのお兄さんがわたしの病室に来て教えてくれた。


 本当は家族以外の人は会えないみたいだけど、特別に会わせてもらえることになった。


 夜に想くんと会うのは久しぶりだな。

 でも、緊張よりも正直恐怖の方が勝っている。

 今だって、情けないくらい手が震えているんだもん。


 病室に入ると、想くんは誰かが来たことに気づいたのかゆっくりと瞼を持ち上げた。


 あぁ、想くんは生きてる――――。


 それだけでずっと我慢していた涙が堰を切ったように溢れ出した。

 こんなに泣いたらまた泣き虫だって笑われるのに。