この先、どんなに辛いことがあっても想くんがくれた言葉を思い出して生きていけると思うから。
「……よかった」
想くんは噛み締めるようにそう言って、満足そうに笑った。
今まで、想くんがわたしにここまでの弱音を吐いたことなんてなかった。
きっと言わないだけでたくさんの葛藤を胸に秘めているんだろうな。
そんな彼にわたしができることなんて限られているからこそ、できる限りそばにいたい。
【よし!ラストスパート頑張るぞー!】
わたしはできるだけ笑顔で想くんにそう伝える。
切り替えて頑張らなきゃ!
目標の千羽まであと少しなんだから!
それからわたしは黙々と鶴を折り続けて最後の一羽を折り終えた。