「ふふ、それは、頼もしいなぁ……」


 そう言って笑った想くんの頬はげっそりと痩せてしまっている。


 大好きな人が、大切な人が目の前で日に日に弱っていく姿を見るのは胸が苦しくて、つい、目を背けたくなってしまうこともある。


 だけど、やっぱりわたしはこの笑顔も目にしっかりと焼き付けていたいと思う。


 だって、全部、全部が想くんが一生懸命生きた証だから。


 わたしはそのすべてを見逃すことなく、ずっと覚えていたい。色褪せることのない大切な記憶として残していたい。



「ねえ、紗那ちゃん……」



 黙々と鶴を折っていると突然、想くんに名前を呼ばれて弾けたように顔を上げて首を傾げた。