それにしてもわたしは想くんの前で泣いてばかりでかっこ悪い。
でも、涙が溢れてきちゃうんだから仕方ないよね。
「ねえ、紗那ちゃん」
突然、名前を呼ばれてわたしは首を傾げた。
「もし俺に逢いたくなったら、空を見上げて。そしたらいつでもそこに俺がいるから」
あまりにも穏やかな顔で微笑む想くんにまた涙が頬をつぅ、と伝う。
いつか想くんがいなくなってしまうことを実感させられてどうしようもなく胸が痛んだ。
それでも、想くんが言うんだから。
わたしはこの先の人生で想くんに逢いたくなったらふと空を見上げるだろう。
【わかった。ずっと見守ってね。約束だから】