メッセージが消えてしまうのは惜しかったけれど、全部スマホにメモしたから大丈夫だって言っていた。
それを聞いたわたしもメッセージをすべてスマホのメモに入力して、紙飛行機は四等分にして鶴を折っている。
わたしと想くんのたくさんの日常と想いが詰まった宝物。
わたしは想くんの何気ない会話をしながら過ごすこの時間がとても気に入っている。
でも今日はちゃんと彼に伝えたいことがある。
【あのね、想くん】
「ん?どうしたの?」
【今からわたしがなんで失声症になったのか打つから読んでほしい】
わたしがその画面を見せると想くんは真剣な眼差しでわたしを見つめたまま、ゆっくりと首を縦に振った。