「嘘ついててごめん。本当は俺も紗那ちゃんに会いたかった。だから、あの時、声をかけた女の子が紗那ちゃんだってわかったとき、正直嬉しかった」
【紙飛行機で話してるわたしだって、あのピアノの前に座ってた時に気づいてたの?】
「うん。というか、ほんとはずっと前から紗那ちゃんのこと知ってたんだ」
いつからわたしのことを知ってたの!?
わたしと想くんが出会ったのは少なくともわたしが入院してからだ。
ずっと前だなんて。 一体どういうことなんだろう。
驚きを隠せないわたしに想くんが言葉を続ける。
「紗那ちゃんさ、ちょっと前にSNSに動画バズってなかった?」