それでも、わたしは少しでも長く彼に生きていてほしい。


 わたしはずっと頭を下げているお兄さんの肩をポンポン、と叩いた。


 涙で潤んだ瞳が不安げにわたしを見る。

 そんなお兄さんに急いで打ち込んだスマホの画面を見せた。



【わたしも、想くんに会いたいです】



 精一杯、微笑んでいるとお兄さんはぽろぽろと涙をこぼしながら「ありがとう、ございます……っ、本当に、ありがとう……っ」ともう一度わたしに頭を下げた。


 わたしは慌ててお兄さんの肩を叩いて頭を上げるように頼む。


 頭を下げないといけないのはわたしのほうだもん。
 あんなに会いたいと願っていた想くんに会えるんだから。