どれだけ一緒の時間を過ごせるかなんてわからないのに。
―――俺が泣いたら慰めてくれるんだもんな?
―――うん、飛んで行ってあげるよ。
ふと、いつか屋上でした会話が脳内で再生された。
そうだ。想くんは今、泣いてるかもしれない。
苦しんでいるかもしれない。辛いかもしれない。
訪れるかわからない明日を怖がってるかもしれない。
全部、わたしの推測にすぎないけれどそれでいい。
彼が悲しいなら、苦しいなら、辛いなら、明日が怖いなら……。
―――わたしがそばにいたい。寄り添いたい。
想くんがわたしにそうしてくれたように。
わたしが会っても奇跡なんて起こせる保証なんてどこにもない。