そんな辛い状態になってまでわたしに紙飛行機を飛ばそうとしてくれていたのか。


 想くんはわたしの存在に気づいていたんだろうか。

 風上くんとして出会ったときに気づいたんだろうか。

 なんで、なんでわたしは気づけなかったんだろう。



「弟にとって、君は生きる希望だったんだと思います」



 お兄さんの言葉にわたしは信じられないといった表情を向けた。


 だって、想くんにとってわたしなんかが生きる希望になんてなるわけがない。

 むしろ、毎回のように暗い話をされて嫌だったかもしれない。

 それなのに、希望だなんて。