時間はかかるかもしれないけれど、わたしはまたピアノを弾けるようになるのかな。

 ふぅ、と小さく息を吐いてわたしは震える指をそっと机から下ろした。

 それから一生懸命、頭で考えても正解は導き出せなかった。


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 午後5時。

 わたしが午後2時に投げた紙飛行機の返事が想くんから返ってきた。


 想くん、今日は一日病院にいたんだ。

 お兄さんと久しぶりに会えたのかな。


 今まで想くんから届いた折り紙は大事にケースに入れて保管してある。


 想くんはどうしてるんだろう。

 捨てちゃってるかな……。

 捨てちゃっててもおかしくないよね。ただの紙切れだし。