わたしの傷ついて壊れた心を癒してくれたのは想くんの言葉だった。
みんなと向き合う勇気をくれた。
そして、わたしは家族と友達の本音を知ることができた。
「俺は空になりたいんだ」
風上くんがふいに視線を夜の空に向けてぽつりと呟いた。
わたしもそれにつられるかのように首を動かして真上を見た。
見上げた空には一面、星々が光を放ち、きらめいている。
綺麗……。
こんなふうに夜空を見るのなんていつぶりだろう。
少し前のわたしは、夜は決まってスマホで自分に対する評価を気にしてみていた。
あの時のわたしは異常だったんだな、と今更になって思う。
心が支配されていたんだ。