またそうやって照れもせずにそういうことを言うんだから。


【今度会ったら名前教える約束だったね。わたしは紗那だよ。君は風上くんでしょ?】


「紗那ちゃんね。よろしく。ってなんで俺の名前知ってるの!?」



 風上くんは目をぱちぱちとさせ、驚いた表情でわたしを見る。



【ふふ、天才だから】


「え、怖い怖い」


【小嶋さんに教えてもらった】



 わたしがそう打った画面を見せると「あ、小嶋さんね。ほんとにバレてるのかと思った」なんて言いながらほっとしたように後頭部を掻いた。



【今日はどうしてここに?】


「いつもとおんなじで空を見たくなったから」


【そっか。わたしと同じだね】