なんとなく、空が見たくなったから。
看護師さんの監視の目をすり抜けてやって来た屋上には、またもや先客がいた。
彼、風上くんはこの前と同じように黙って一人で空を見上げていた。
わたしはそんな彼に近づいてトントンと肩を叩いた。
ばっ、と慌てて振り向いた彼はわたしだと知るとわかりやすく肩の力を抜いた。
「君でよかった……小嶋さんとかだったらどうしよって焦ったよ」
【こんばんは。びっくりしすぎてて面白かった】
「笑ってる場合じゃないよ。それにしてもまた会えたね。俺たち運命かな」
なんて、ふんわりと笑っている彼に鼓動がキュンと甘い音を奏でた。