…さぁ、いよいよだな。
「…『門』を開け。ベルフェゴール」
俺達の水先案内人、吐月が、ベルフェゴールに血を捧げると。
何もなかった空間に、突然、赤黒い奇妙な色をした亀裂が入った。
亀裂はたちまちに、人が入れる大きさにまで広がった。
これが…冥界と現世を繋ぐ『門』。
「…っ、くっ…」
「…!吐月、大丈夫か?」
この『門』を開く為に、相当魔力を使っているのだろう。
吐月の顔に、苦悶の表示が浮かんでいた。
それでも。
「大丈夫…。…行って。必ず持ち堪えるから」
吐月は気丈に、そう言ってみせた。
…頑張ってくれている吐月の為にも、俺達が二の足を踏む訳にはいかない。
「…シルナ」
「…うん」
シルナは、全く恐怖を感じさせない明るさで。
まるで、これから一緒に未知の世界に飛び込むように。
その手を、俺に向かって差し出した。
「行こう、羽久。君と一緒なら、私は何処にでも…」
「…あぁ」
俺は、その手を取った。
そして、よーいどんでスタートを切るように。
躊躇わずに地面を蹴り、『門』に向かって飛び込んだ。
恐怖心はなかった。
当然だ。
仲間が…シルナがいるのに、俺が何を恐れることがあろうか。
「…『門』を開け。ベルフェゴール」
俺達の水先案内人、吐月が、ベルフェゴールに血を捧げると。
何もなかった空間に、突然、赤黒い奇妙な色をした亀裂が入った。
亀裂はたちまちに、人が入れる大きさにまで広がった。
これが…冥界と現世を繋ぐ『門』。
「…っ、くっ…」
「…!吐月、大丈夫か?」
この『門』を開く為に、相当魔力を使っているのだろう。
吐月の顔に、苦悶の表示が浮かんでいた。
それでも。
「大丈夫…。…行って。必ず持ち堪えるから」
吐月は気丈に、そう言ってみせた。
…頑張ってくれている吐月の為にも、俺達が二の足を踏む訳にはいかない。
「…シルナ」
「…うん」
シルナは、全く恐怖を感じさせない明るさで。
まるで、これから一緒に未知の世界に飛び込むように。
その手を、俺に向かって差し出した。
「行こう、羽久。君と一緒なら、私は何処にでも…」
「…あぁ」
俺は、その手を取った。
そして、よーいどんでスタートを切るように。
躊躇わずに地面を蹴り、『門』に向かって飛び込んだ。
恐怖心はなかった。
当然だ。
仲間が…シルナがいるのに、俺が何を恐れることがあろうか。