…多分、ここにいる皆、同じ気持ちだと思う。

仲間思いな奴らばっかりだからさ。…揃いも揃って。

「…そうだろう?ナジュ」

俺達の心を読んでいるに違いないお前は、もうとっくに分かってるんだろう?

「…えぇ、分かってますよ。…揃いも揃って、向こう見ずな命知らずばっかりだなぁと思ってます」

全くだな。

「…で、そこにはお前も含まれてるんだろ?」

「そうなんですよ。残念なことに」

じゃ、人のこととやかく言えないな。

ここにいるのは全員、脳筋命知らずばかりだということで。

類は友を呼ぶって奴なのかなぁ。

「それがマシュリを助けられる唯一の方法なら、俺は躊躇わないよ」

「…やれやれ。普通なら、ここでもっと脅して思い留まらせようとするんでしょうけど…」

ナジュは、溜め息混じりにそう言った。

「この人達の心を読むと、説得なんて無意味だってことが分かっちゃうんですよね。僕には…」

「だろうな。諦めろ」

例えどれほど困難でも、その先にマシュリが待っているのなら。

恐ろしいことなんて、何もない。

むしろ、リスクを恐れて尻込みし、マシュリを忘れることの方がずっと怖い。

なら、俺は前に進むよ。

「…でも、あなた方に話したらきっと、こうなるだろうと思ってました」

「そうか。じゃあ、予想通りだったな」

「えぇ。むしろ…『やっぱり諦めよう』と言う人が一人もいなくて、安心してます」

…お前、さては。

「…万が一、俺達が『行かない』って言ったら、一人でも行こうと思ってただろ?」

「さぁ?それはどうでしょうね」

にっこりと微笑んで答えるナジュ。

おい。はぐらかすんじゃねぇ。

天音の言う通り…。素直なじゃないな、お前は。

「さて、そうと決まったら…もっと大事な話し合いをしましょうか。…冥界に赴き、マシュリさんの最後の心臓を取り戻す為に」

「あぁ」

いよいよ…ここからが、本当に大事な本題だ。