ここまで来たら、もうあと一押し。

「お願いします、リリス…。僕のことを思ってくれているのなら、そっと教えてください」

「…君には敵わないよ。本当…。困った子だ」

済みません。

「そんなこと言われたら…。黙っている訳にはいかないじゃん…」

「…嫌いになりました?」

「ならないよ。こんなことで…。全くもう、昔はもっと素直な良い子だったのに、すっかり言うこと聞かなくなっちゃって…」

いやぁ、悪い子に育っちゃって済みません。

反抗期ですかね。

「悪い子の僕ですが…変わらず好きでいてください」

「…うん」

「話してくれますか。…マシュリさんのこと。リリスが知ってることを」

僕がなおもそうせがむと、リリスは、しばし逡巡して…。

…それから、観念したように口を開いた。

「…分かった。…驚かないで聞いてね」

「驚きませんよ。大抵のことなら」

「それなら、大丈夫だね。…あのね、マシュリ君は…彼は…まだ、死んでない。生きてるんだ」






驚きませんとは言ったものの…。さすがの僕も、そう来たか、と思った。