シュニィは、ひとしきり泣いた後。
「…済みません。取り乱してしまって…」
アトラスに支えられるようにして、潤む瞳を拭って立ち上がった。
本当は、まだ悲しみが癒えた訳じゃないことは、誰もが分かっていた。
「シュニィ…。無理をするな。ここは俺達に任せて、お前は…」
シュニィを気遣って、アトラスが声をかけたが。
シュニィは、そんな小さく首を横に振った。
「大丈夫です。辛いのは皆さんも同じ…。…いいえ、学院長先生や羽久さん達は、私以上に辛い思いをしていらっしゃるのに…」
「…」
「私だけ…逃げる訳にはいきません。目を逸らす訳にはいかないのです。マシュリさんの為にも…」
目を逸らす訳にはいかない…か。
その通り。…シュニィの言う通りだ。
…嫌でも、無理でも、割り切って考えなくては。
「犯人を突き止めなければなりません。逃げられてしまう前に…」
「…その為に、僕が来ました。…遺体を検めさせてもらっても良いですか?」
エリュティアが、自らそう申し出た。
…あぁ、分かってたよ。
エリュティアが来てくれたのは、その為なんだろうってこと。
エリュティアの探索魔法なら、現場や遺体に残された『痕跡』を辿って、犯人に繋がる手がかりを得られるかもしれない、と。
「俺は、エリュティアの手伝いだ。…現場を見せてもらっても良いか?」
更に、無闇も手伝いを申し出てくれた。
さすが、『死火』の守り人。
こんな時でも、しっかりしている。
動揺しっぱなしの俺には、羨ましいくらいだ。
「勿論だよ。…イレースちゃん、無闇君を…現場に案内してあげてくれる?」
「分かりました。こちらに」
シルナに頼まれて、イレースはすぐさま頷き。
無闇を伴って、現場である園芸部の畑に向かった。
で、こちらは。
「…ごめんなさい。調べさせてくださいね」
エリュティアは、マシュリにそう言って詫びてから。
そっと、マシュリの身体に触れた。
…何か見つかると良いのだが…。
…その時。
「…」
「…?」
俺の隣に立っていたナジュが、ボーッと虚空を見つめて突っ立っていることに気づいた。
「…済みません。取り乱してしまって…」
アトラスに支えられるようにして、潤む瞳を拭って立ち上がった。
本当は、まだ悲しみが癒えた訳じゃないことは、誰もが分かっていた。
「シュニィ…。無理をするな。ここは俺達に任せて、お前は…」
シュニィを気遣って、アトラスが声をかけたが。
シュニィは、そんな小さく首を横に振った。
「大丈夫です。辛いのは皆さんも同じ…。…いいえ、学院長先生や羽久さん達は、私以上に辛い思いをしていらっしゃるのに…」
「…」
「私だけ…逃げる訳にはいきません。目を逸らす訳にはいかないのです。マシュリさんの為にも…」
目を逸らす訳にはいかない…か。
その通り。…シュニィの言う通りだ。
…嫌でも、無理でも、割り切って考えなくては。
「犯人を突き止めなければなりません。逃げられてしまう前に…」
「…その為に、僕が来ました。…遺体を検めさせてもらっても良いですか?」
エリュティアが、自らそう申し出た。
…あぁ、分かってたよ。
エリュティアが来てくれたのは、その為なんだろうってこと。
エリュティアの探索魔法なら、現場や遺体に残された『痕跡』を辿って、犯人に繋がる手がかりを得られるかもしれない、と。
「俺は、エリュティアの手伝いだ。…現場を見せてもらっても良いか?」
更に、無闇も手伝いを申し出てくれた。
さすが、『死火』の守り人。
こんな時でも、しっかりしている。
動揺しっぱなしの俺には、羨ましいくらいだ。
「勿論だよ。…イレースちゃん、無闇君を…現場に案内してあげてくれる?」
「分かりました。こちらに」
シルナに頼まれて、イレースはすぐさま頷き。
無闇を伴って、現場である園芸部の畑に向かった。
で、こちらは。
「…ごめんなさい。調べさせてくださいね」
エリュティアは、マシュリにそう言って詫びてから。
そっと、マシュリの身体に触れた。
…何か見つかると良いのだが…。
…その時。
「…」
「…?」
俺の隣に立っていたナジュが、ボーッと虚空を見つめて突っ立っていることに気づいた。