…不思議な光景だった。
ラッパを吹いているはずなのに、辺りには何の音も聞こえない。
まるで、壊れたラッパを吹いているよう。
けれど、俺達の耳に聞こえないだけで、確かにそのラッパは鳴り響いていた。
「…っ!この、裏切り者…!」
「ラッパを返しなさい!」
俺とシルナの合わせ技でも、やはり数秒以上の時は止められなかった。
ハクロとコクロは、すぐにリューイに飛びついて、ラッパを取り返そう…としたが。
全ては、既に決していた。
「…そこまでです。止まりなさい」
ハクロとコクロが、リューイからラッパを取り戻す前に。
小柄な、髪の長い女性が、二人の天使の前に悠然と立ちはだかった。
その女性が何者か、何処から来たのか、聞くまでもなかった。
彼女の背中には、まばゆいばかりの大きな天使の羽根が生えていたから。
「智天使…ケルビム様…」
ようやく、自らの主人と再会したリューイが、その女性の名前を呟いた。
…そうか。やっぱり。
この人が…リューイのご主人様。智天使ケルビムなんだな。
ラッパを吹いているはずなのに、辺りには何の音も聞こえない。
まるで、壊れたラッパを吹いているよう。
けれど、俺達の耳に聞こえないだけで、確かにそのラッパは鳴り響いていた。
「…っ!この、裏切り者…!」
「ラッパを返しなさい!」
俺とシルナの合わせ技でも、やはり数秒以上の時は止められなかった。
ハクロとコクロは、すぐにリューイに飛びついて、ラッパを取り返そう…としたが。
全ては、既に決していた。
「…そこまでです。止まりなさい」
ハクロとコクロが、リューイからラッパを取り戻す前に。
小柄な、髪の長い女性が、二人の天使の前に悠然と立ちはだかった。
その女性が何者か、何処から来たのか、聞くまでもなかった。
彼女の背中には、まばゆいばかりの大きな天使の羽根が生えていたから。
「智天使…ケルビム様…」
ようやく、自らの主人と再会したリューイが、その女性の名前を呟いた。
…そうか。やっぱり。
この人が…リューイのご主人様。智天使ケルビムなんだな。