僅か2分後。

意識を失った山賊の皆さんは、残らず身ぐるみを剥がされ。

素っ裸で、布団でも畳むように綺麗に積み重ねて放置されてしまった。

手酷くぶん殴りはしたが、命を奪ってはいない。

全員、気を失っているだけだ。

相手の意識を奪って無力化することは、殺すよりも遥かに難しいはずなのに。

令月とすぐりにかかったら、さながら赤子の手を捻るかのごとし。

「ふー。良い仕事したなー」

「全然歯応えがなかったね。ジャマ王国の山賊の方が、まだ骨があるよ」

パンパン、と手の埃を払って、一仕事終えた令月とすぐりである。

…お疲れ。早かったな。

手加減してやれって。可哀想に。

「素晴らしい手際ですね。鮮やかです」

これには、リューイも感心していた。

さながら、子供と大人の喧嘩みたいだったもんな。

…子供なのは令月とすぐりの方なんだけど…。

「さーて、この調子で、バンバン山賊討伐していこっかー」

「腹ごなしにもならないね」

さっさと歩き始める二人であった。

…俺達、別に山賊退治に来た訳じゃないんだけど。

…まぁいっか。大人より遥かに頼もしいし、もうこの二人に任せておこう…。