どうしたんだ?…突然…。
何を見たって…冥界で、ってことか?
「何を…って言われても、俺にはさっぱり分からないような場所だったけど…」
「具体的には?」
具体的?
「えぇと…。俺とベリクリーデが辿り着いたのは、捨てられた古代都市みたいな場所だったぞ」
「…古代都市…ですか」
「あぁ。遺跡みたいな場所で…。骨がたくさん捨てられてた。色んな意味で不気味な場所だったよ」
あの時はシルナとはぐれていたから、余計にな。
それに比べりゃ、今は隣にシルナがいるし、リューイも令月もすぐりもいるし。
例え襲いかかられたとしても、山賊は魔物じゃなくて、人間だ。
そう思うと、何だかヌルゲーのような気がしてきたぞ。
「…聖賢者殿は?」
「ほぇっ?」
「覚えていますか。冥界に行った時のことを」
「そ、そりゃ覚えてるよ…。凄く怖かったんだもん。お墓で…」
リューイに質問されて、シルナはびくびくしながら答えた。
お墓って。
「何のお墓か分からないけど…。数字みたいなのが刻まれてて、凄く不気味だったんだから。ジュリス君がいなかったら、腰を抜かしていただろうよ」
シルナはビビりだもんな。
きっと、今みたいに過剰にビビって、ジュリスに迷惑かけてたんだろう。
申し訳なくなってきた。
「墓…。…墓を暴いたりはしませんでしたか?」
「あ、当たり前だよ!あんな怖いお墓、掘り返したら何が出てくるか…」
ビビリチキンのシルナに、墓を暴く度胸があるものか。
俺だって嫌だよ。死者の眠りを妨げたら、一体どんな目に遭わされるか。
「…では、そちらのお二人は?」
今度は、令月とすぐりに尋ねた。
「何で、そんなこと聞くの?」
「お気になさらず。ただの興味本位です」
「ふーん…。僕は魔物の胃の中だったよ」
…胃の中。
改めて思い返すと、よく逃げ出せたもんだ。
「俺は無人島でさー。謎の研究所みたいな場所を彷徨ってたね」
…無人島。
こちらもまた、よく脱出出来たな。
マシュリの案内がなければ、どうなっていたか…。
リアル無人島脱出をしなければならないところだっただろう。
「そうですか。皆さん、様々な…バラバラの場所を彷徨っていたのですね」
「そうみたいだな…」
辿り着いた場所は、それぞれ別々の、多種多様な魔境だったが。
「全員、人骨みたいな骨を見つけたのと…魔物に襲われて、マシュリに導かれて竜の祠に辿り着いたってことは、共通してるな」
「…人骨…。魔物、ですか…」
「まぁ、魔物の闊歩する冥界だからな。人骨くらい、その辺に落っこちてる小石や小枝みたいなもんだ」
そう思ったら、ますます、この山道は大したことないように思えるな。
ちょっと勇気が湧いてきた。…ような気がする。
…気がするってことにしておこう。
「…そうですか…。皆さん…アレを見て…」
「…リューイ?」
アレって何のこと、と聞こうとしたその時。
突然、先頭を歩いていた令月とすぐりが、足を止めた。
何を見たって…冥界で、ってことか?
「何を…って言われても、俺にはさっぱり分からないような場所だったけど…」
「具体的には?」
具体的?
「えぇと…。俺とベリクリーデが辿り着いたのは、捨てられた古代都市みたいな場所だったぞ」
「…古代都市…ですか」
「あぁ。遺跡みたいな場所で…。骨がたくさん捨てられてた。色んな意味で不気味な場所だったよ」
あの時はシルナとはぐれていたから、余計にな。
それに比べりゃ、今は隣にシルナがいるし、リューイも令月もすぐりもいるし。
例え襲いかかられたとしても、山賊は魔物じゃなくて、人間だ。
そう思うと、何だかヌルゲーのような気がしてきたぞ。
「…聖賢者殿は?」
「ほぇっ?」
「覚えていますか。冥界に行った時のことを」
「そ、そりゃ覚えてるよ…。凄く怖かったんだもん。お墓で…」
リューイに質問されて、シルナはびくびくしながら答えた。
お墓って。
「何のお墓か分からないけど…。数字みたいなのが刻まれてて、凄く不気味だったんだから。ジュリス君がいなかったら、腰を抜かしていただろうよ」
シルナはビビりだもんな。
きっと、今みたいに過剰にビビって、ジュリスに迷惑かけてたんだろう。
申し訳なくなってきた。
「墓…。…墓を暴いたりはしませんでしたか?」
「あ、当たり前だよ!あんな怖いお墓、掘り返したら何が出てくるか…」
ビビリチキンのシルナに、墓を暴く度胸があるものか。
俺だって嫌だよ。死者の眠りを妨げたら、一体どんな目に遭わされるか。
「…では、そちらのお二人は?」
今度は、令月とすぐりに尋ねた。
「何で、そんなこと聞くの?」
「お気になさらず。ただの興味本位です」
「ふーん…。僕は魔物の胃の中だったよ」
…胃の中。
改めて思い返すと、よく逃げ出せたもんだ。
「俺は無人島でさー。謎の研究所みたいな場所を彷徨ってたね」
…無人島。
こちらもまた、よく脱出出来たな。
マシュリの案内がなければ、どうなっていたか…。
リアル無人島脱出をしなければならないところだっただろう。
「そうですか。皆さん、様々な…バラバラの場所を彷徨っていたのですね」
「そうみたいだな…」
辿り着いた場所は、それぞれ別々の、多種多様な魔境だったが。
「全員、人骨みたいな骨を見つけたのと…魔物に襲われて、マシュリに導かれて竜の祠に辿り着いたってことは、共通してるな」
「…人骨…。魔物、ですか…」
「まぁ、魔物の闊歩する冥界だからな。人骨くらい、その辺に落っこちてる小石や小枝みたいなもんだ」
そう思ったら、ますます、この山道は大したことないように思えるな。
ちょっと勇気が湧いてきた。…ような気がする。
…気がするってことにしておこう。
「…そうですか…。皆さん…アレを見て…」
「…リューイ?」
アレって何のこと、と聞こうとしたその時。
突然、先頭を歩いていた令月とすぐりが、足を止めた。