そんなことはまだ知らない俺達は、早速、アーリヤット皇国に乗り込む為の作戦を立てていた。
「やっぱり海路で行くべきだよな…」
アーリヤット皇国が俺達にしたことを、今度は俺達がやり返す。
ルーデュニア聖王国に届く輸入品の積み荷の中に、『ムシ』を仕込んだように。
アーリヤット皇国に届けられる積み荷の中に、俺達がこっそり潜めば良いという訳だ。
…船酔い、辛そうだな。
四の五の言ってられないから我慢するが。
「私が留守の間、学院の運営は完璧に続けてもらわないと…」
イレースはと言うと、自分が居ない間の授業計画を綿密に、みっちりと立てていた。
…実にイレースらしい。
ちなみに俺達が不在の間、学院の方は聖魔騎士団に応援を頼むつもりである。
いつもごめんな。シュニィ。
「医療品の用意はしっかりしておかないと…。風邪薬、酔い止め、鎮痛剤に消毒液…」
天音はと言うと、持っていく医薬品の整理を綿密に行っている。
こちらも真面目である。
一方。
「天音さんは医薬品の用意より、剣を研いでおいた方が良いのでは?」
「なっ…ナジュ君!」
「いやぁ格好良かったですよねぇ。『俺』は敵の言葉に耳は貸さない。君が敵の手に落ちたなら、一緒に斬り、」
「うわぁぁぁ!ナジュ君っ!それはもう忘れてってぇ!」
…まーたナジュが天音をいじめてら。
ったくあいつと来たら…。不死身なのを良いことに、ろくに準備も何もしてやがらねぇ。
身一つで充分ってか?それはお前だけだ。
「令月とすぐりは?何やってるんだ、さっきから」
「宿題」
「俺も」
令月は筆を、すぐりは筆ペンを、それぞれせかせかと動かしていた。
…宿題…?
「アーリヤット皇国への遠征中、通常の授業は受けられませんからね。その補習を兼ねて、二人に特別課題を課しました。明日までに終わらせなさい」
ギロッ、と二人を睨んで命じる、鬼教官イレース。
本当に鬼教官である。
遠征前はゆっくりして体調を整えておきなさい、とかいう優しさはまるでない。
しばらく授業受けられないんだから、特別課題でもやってろ、と。
恐ろしい奴だよ、イレースは。
「…マシュリは?マシュリは何処で何をやってる?」
「猫仲間と近くのペットショップを巡回に行くんだって」
「…何をやってんだあいつは…」
猫なのか人間なのか竜なのか、はっきりしろ。
まぁいつも通り過ごしてるってことで、マシュリなりにリラックスしているのだと思おう。
…ペットショップを巡回って、一体何をチェックしてるんだ?
新発売の猫缶の情報とか…?知らんけど。
「シルナ…。そろそろ俺達も遠征の準備、」
「…ほぇ?」
シルナはと言うと、口いっぱいにチョコシュークリームを頬張っていた。
…思わず、ボディブローを入れたくなる衝動を必死に抑えた俺、偉い。
「やっぱり海路で行くべきだよな…」
アーリヤット皇国が俺達にしたことを、今度は俺達がやり返す。
ルーデュニア聖王国に届く輸入品の積み荷の中に、『ムシ』を仕込んだように。
アーリヤット皇国に届けられる積み荷の中に、俺達がこっそり潜めば良いという訳だ。
…船酔い、辛そうだな。
四の五の言ってられないから我慢するが。
「私が留守の間、学院の運営は完璧に続けてもらわないと…」
イレースはと言うと、自分が居ない間の授業計画を綿密に、みっちりと立てていた。
…実にイレースらしい。
ちなみに俺達が不在の間、学院の方は聖魔騎士団に応援を頼むつもりである。
いつもごめんな。シュニィ。
「医療品の用意はしっかりしておかないと…。風邪薬、酔い止め、鎮痛剤に消毒液…」
天音はと言うと、持っていく医薬品の整理を綿密に行っている。
こちらも真面目である。
一方。
「天音さんは医薬品の用意より、剣を研いでおいた方が良いのでは?」
「なっ…ナジュ君!」
「いやぁ格好良かったですよねぇ。『俺』は敵の言葉に耳は貸さない。君が敵の手に落ちたなら、一緒に斬り、」
「うわぁぁぁ!ナジュ君っ!それはもう忘れてってぇ!」
…まーたナジュが天音をいじめてら。
ったくあいつと来たら…。不死身なのを良いことに、ろくに準備も何もしてやがらねぇ。
身一つで充分ってか?それはお前だけだ。
「令月とすぐりは?何やってるんだ、さっきから」
「宿題」
「俺も」
令月は筆を、すぐりは筆ペンを、それぞれせかせかと動かしていた。
…宿題…?
「アーリヤット皇国への遠征中、通常の授業は受けられませんからね。その補習を兼ねて、二人に特別課題を課しました。明日までに終わらせなさい」
ギロッ、と二人を睨んで命じる、鬼教官イレース。
本当に鬼教官である。
遠征前はゆっくりして体調を整えておきなさい、とかいう優しさはまるでない。
しばらく授業受けられないんだから、特別課題でもやってろ、と。
恐ろしい奴だよ、イレースは。
「…マシュリは?マシュリは何処で何をやってる?」
「猫仲間と近くのペットショップを巡回に行くんだって」
「…何をやってんだあいつは…」
猫なのか人間なのか竜なのか、はっきりしろ。
まぁいつも通り過ごしてるってことで、マシュリなりにリラックスしているのだと思おう。
…ペットショップを巡回って、一体何をチェックしてるんだ?
新発売の猫缶の情報とか…?知らんけど。
「シルナ…。そろそろ俺達も遠征の準備、」
「…ほぇ?」
シルナはと言うと、口いっぱいにチョコシュークリームを頬張っていた。
…思わず、ボディブローを入れたくなる衝動を必死に抑えた俺、偉い。