「冥界だって、一緒に行った仲じゃないか」

なおも躊躇うシルナに、俺はそう言った。

皆、とっくに覚悟は決めてるよ。

シルナと同じ道を行く覚悟、その為に命を懸ける覚悟を。

「だったら、アーリヤット皇国だって一緒に行こう」

「…皆、本当にそれで良いの?」

「くどいですよ。何度も言わせないでください。時間の無駄です」

「駄目って言われたら、こっそりついていかなきゃいけなくなって面倒だからさー」

「ついてきて良いよって言ってもらわないと困るかな」

イレースと、すぐりと令月がそう答えた。

…イレースはともかく、令月とすぐりは、大人しくおうちで待っているということが出来ないのか?

こっそりついてこようとするな。

…まぁ、でも今更か。

今日に始まったことじゃない。

「そんな訳だ、シルナ。…諦めろ」

お前の仲間は、こういう奴らだ。

俺達みたいなやつを、お前が仲間にしたのだ。

「…そうだね、分かった」

苦笑いをしたシルナは、諦めて頷いた。

「ありがとう、皆。…心強い仲間に恵まれて、私は幸せ者だよ」

…決まりだな。

それじゃ、行くとしようか。…いざ、アーリヤット皇国へ。








…しかし。

俺達はその後、アーリヤット皇国だけではなく。

それ以上の場所にまで、乗り込むことになるのである。