シュニィ渾身の巨大な魔力爆弾が、容赦なく俺達目掛けて放たれた。

やっぱりマジだった。

「…っ!!」

その凄まじい威力に、思わず目を閉じてしまいそうになったが…

巨大な魔力爆弾にも全く怯むことなく、珠蓮は自ら矢面に立ち。

その手に、光る賢者の石を掲げた。

賢者の石は、魔力爆弾を吸い込むかのように相殺した。

「…!?」

これは予想外だったらしく、シュニィの動きが鈍った。

…今だ。

「行くぞ、皆。やれ!」

「シュニィちゃん、ごめんねっ…!」

卑怯と言いたくば言え。

珠蓮に全ての魔法を相殺してもらった、その隙に。

俺達は、すかさず分担してシュニィ達聖魔騎士団大隊長達の前に踊り出た。

避ける隙を与えず、一気に肉薄して胸の辺りに傷を入れた。

簡単なようで、こちとら命懸けである。

こんな不意打ち、そう何度も成功するものじゃない。

珠蓮がいてくれなかったら、とてもじゃないけどこんな無謀な作戦は取れなかっただろう。

しかし。




…どうやら、その甲斐はあったようだ。