「記憶が戻ったなら、協力してくれるよな?ルイーシュ」
「いかにも面倒臭そうなので嫌です」
おい。
いかにも普段のルイーシュらしくて、本当に記憶が戻ったんだなと安心したけども。
そこは嘘でも、協力するところ…。
「…と言いたいところですが、キュレムさんがイモムシに洗脳されたままなんて癪ですからね。渋々ながら協力させてもらいますよ」
「おぉ…。そう来なくちゃ」
キュレムが絡むとやる気になるな、お前は。さすが相棒だ。
頼りにしてるぞ。
「だが、ここにいる全員の力を合わせたとしても、聖魔騎士団の大隊長達を相手にするのは楽じゃないぞ」
腕組みをしたジュリスが、冷静にそう言った。
…確かに…。
あいつらの実力は、俺達もよく知るところ。
イレースや天音達だって恐ろしく強力だったけど。
イレース達から『ムシ』を取り除くことが出来たのは、上手くそれぞれ分断することに成功したから。
ナジュの次に天音、その次にイレースと令月とすぐり、みたいに。
おまけに、マシュリに不意討ちしてもらったお陰というのも大きな要因。
一気に全員を、真正面から相手にするとなったら、正直勝ち目は見えない。
…しかも。
「聖魔騎士団の魔導師殿らは、既に『ムシ』に寄生されてから丸一日以上が経っています。心臓に巣食った『ムシ』は、幼体から成虫に変わっているはずです」
リューイが、更に嫌な情報を俺達に教えてくれた。
成虫…嘘だろ?
「まだ大きくなるのか。あのキモムシ…」
「成虫になったら…どうなるの?」
恐る恐るといった風に、シルナが尋ねる。
「凶暴性が増し、本来の性格より遥かに攻撃性が強くなります。我々の姿を見た途端、問答無用で襲ってくるでしょうね」
とのこと。
敵と見るや、問答無用で無差別に襲ってくるって、それもうただの賊じゃん。
怖っ…。ますます、迂闊に近寄れない。
だが、恐れている暇はない。
「ビビってる場合じゃない。何とかしないと…」
「でも…無策で突っ込んで、返り討ちに遭ったら元も子もないよ」
そ、それはそうだけど…。
一体どうすりゃ良いんだ?
ただでさえ強力な相手なのに、ますます凶暴性が増しているなら、最早俺達の手に負えなくなっている可能性も…。
だけど、悩んでる時間だって惜しいし…。
…すると。
「偵察に行ってこようか?僕と『八千歳』で」
令月が、そう提案した。
「何?」
「敵情視察は奇襲作戦の要だよ。上手くやれば、各個撃破も狙えるかもしれない」
「そ、それはそうだが…」
偵察に行けるものなら、行きたいけども。
でも、それはつまり敵の本拠地に乗り込むってことだろ?
危険過ぎる。
「『八千代』にしてはナイスアイディアだねー。俺もさんせー。ちょっと行ってくるよ」
すぐりまで。
「ちょ、ちょっと待て。そんなコンビニ感覚で偵察に行こうとするな」
絶対、そんな軽いノリで行って良い場所じゃないって。
「いかにも面倒臭そうなので嫌です」
おい。
いかにも普段のルイーシュらしくて、本当に記憶が戻ったんだなと安心したけども。
そこは嘘でも、協力するところ…。
「…と言いたいところですが、キュレムさんがイモムシに洗脳されたままなんて癪ですからね。渋々ながら協力させてもらいますよ」
「おぉ…。そう来なくちゃ」
キュレムが絡むとやる気になるな、お前は。さすが相棒だ。
頼りにしてるぞ。
「だが、ここにいる全員の力を合わせたとしても、聖魔騎士団の大隊長達を相手にするのは楽じゃないぞ」
腕組みをしたジュリスが、冷静にそう言った。
…確かに…。
あいつらの実力は、俺達もよく知るところ。
イレースや天音達だって恐ろしく強力だったけど。
イレース達から『ムシ』を取り除くことが出来たのは、上手くそれぞれ分断することに成功したから。
ナジュの次に天音、その次にイレースと令月とすぐり、みたいに。
おまけに、マシュリに不意討ちしてもらったお陰というのも大きな要因。
一気に全員を、真正面から相手にするとなったら、正直勝ち目は見えない。
…しかも。
「聖魔騎士団の魔導師殿らは、既に『ムシ』に寄生されてから丸一日以上が経っています。心臓に巣食った『ムシ』は、幼体から成虫に変わっているはずです」
リューイが、更に嫌な情報を俺達に教えてくれた。
成虫…嘘だろ?
「まだ大きくなるのか。あのキモムシ…」
「成虫になったら…どうなるの?」
恐る恐るといった風に、シルナが尋ねる。
「凶暴性が増し、本来の性格より遥かに攻撃性が強くなります。我々の姿を見た途端、問答無用で襲ってくるでしょうね」
とのこと。
敵と見るや、問答無用で無差別に襲ってくるって、それもうただの賊じゃん。
怖っ…。ますます、迂闊に近寄れない。
だが、恐れている暇はない。
「ビビってる場合じゃない。何とかしないと…」
「でも…無策で突っ込んで、返り討ちに遭ったら元も子もないよ」
そ、それはそうだけど…。
一体どうすりゃ良いんだ?
ただでさえ強力な相手なのに、ますます凶暴性が増しているなら、最早俺達の手に負えなくなっている可能性も…。
だけど、悩んでる時間だって惜しいし…。
…すると。
「偵察に行ってこようか?僕と『八千歳』で」
令月が、そう提案した。
「何?」
「敵情視察は奇襲作戦の要だよ。上手くやれば、各個撃破も狙えるかもしれない」
「そ、それはそうだが…」
偵察に行けるものなら、行きたいけども。
でも、それはつまり敵の本拠地に乗り込むってことだろ?
危険過ぎる。
「『八千代』にしてはナイスアイディアだねー。俺もさんせー。ちょっと行ってくるよ」
すぐりまで。
「ちょ、ちょっと待て。そんなコンビニ感覚で偵察に行こうとするな」
絶対、そんな軽いノリで行って良い場所じゃないって。