まずは、これからどう動くのかを考えなきゃならない。
いつまでも異空間に逃げてはいられない。ルーデュニア聖王国に、そしてイーニシュフェルト魔導学院に戻らなくては。
「ともあれ、まずは学院の皆を先に正気に戻そう。彼らの協力が得られれば、その後はうんと楽になるはずだよ」
と、シルナ。
その意見には賛成だ。
俺の精神衛生の為にも、イレースやナジュ達には、速攻で正気に戻ってもらわないと困る。
「まずはイーニシュフェルト魔導学院を取り戻して、学院を安全な状態にする。それから聖魔騎士団の皆だね」
イーニシュフェルト組に加えて、聖魔騎士団の面々も正気に戻すことが出来れば。
あとは楽なもんだ。皆で手分けして、残りの『ムシ』を追い払えば良い。
「ジュリス君、ベリクリーデちゃん。君達もそれで良い?」
「あぁ。結果的に全員正気に戻すなら、順番にはこだわらない」
「私も良いよ」
ジュリスとベリクリーデが話の分かる奴らで助かったよ。
まぁ、ベリグリーデは、よく分からないまま頷いてるだけかもしれないが。
「それじゃ、まずは学院の仲間達を何とかしないとな…。…誰から狙う?」
オペを行うには、それなりにおとなしくしてもらわなきゃいけないだろう。
当然向こうは『ムシ』を取り出されまいと必死に抵抗するだろうし、そうなると戦闘は避けられないかもしれない。
学院の仲間達がどれほど手強い相手であるかは、痛いほどよく分かっている。
その中でも、特に厄介なのは…。
「言わなくても分かってると思うが、令月とすぐりはヤバいぞ」
「…うん、分かってるよ」
イーニシュフェルト魔導学院でも、生粋の武闘派だからな。
元『アメノミコト』の暗殺者として、大人顔負けの実力を持っている。
マシュリほどじゃないが、人の気配や足音にも敏感だからな。
こっそり学院に忍び込もうとしても、すぐに見つかってしまうだろう。
しかも恐ろしいことに、あいつらは俺達を…敵を殺すことに、一切の躊躇いがない。
手加減してやろうとか、容赦してやろうとか、そういう手心は一切ない。
ターゲットを見つけるなり、容赦なく殺しにかかってくる。
個々の実力もさることながら、それ以上に恐ろしいのは、二人の連携。
出会ったばかりの頃、仲違いしていたのが嘘のよう。
あの二人の連携は、キュレム・ルイーシュペアにも匹敵する。
令月かすぐりのどちらかだけなら、まだ何とかなるかもしれない。
だけど、二人揃ったら手がつけられない。
あの二人が揃った状態で相対することになったら、さすがに逃げ切れる気がしない。
勿論、あの二人以外…。イレースやナジュや天音も、充分脅威だけどな。
敵に容赦をしないという点では、イレースも同様。
不死身であることを抜きにしても、ナジュは充分強いし。
天音だって、普段優しそうに見えて、あれでやる時はやるのだ。
…あれ?そう思ったら、なんかやっぱり無理ゲーな気がしてきた。
早くも怖気づき始めている。これは良くない兆候。
「学院に戻ったら、臨機応変に動かなきゃならないことは分かってるよ。でも、私達が最初に狙うのはナジュ君にしよう」
と、シルナはきっぱり言った。
…へ?何でナジュ?
「何か根拠があって言ってるんだよな?」
「勿論だよ」
「じゃあ、その根拠ってのは?」
「ナジュ君が一番…正気に戻ってくれそうな気がしたから」
…はい?
いつまでも異空間に逃げてはいられない。ルーデュニア聖王国に、そしてイーニシュフェルト魔導学院に戻らなくては。
「ともあれ、まずは学院の皆を先に正気に戻そう。彼らの協力が得られれば、その後はうんと楽になるはずだよ」
と、シルナ。
その意見には賛成だ。
俺の精神衛生の為にも、イレースやナジュ達には、速攻で正気に戻ってもらわないと困る。
「まずはイーニシュフェルト魔導学院を取り戻して、学院を安全な状態にする。それから聖魔騎士団の皆だね」
イーニシュフェルト組に加えて、聖魔騎士団の面々も正気に戻すことが出来れば。
あとは楽なもんだ。皆で手分けして、残りの『ムシ』を追い払えば良い。
「ジュリス君、ベリクリーデちゃん。君達もそれで良い?」
「あぁ。結果的に全員正気に戻すなら、順番にはこだわらない」
「私も良いよ」
ジュリスとベリクリーデが話の分かる奴らで助かったよ。
まぁ、ベリグリーデは、よく分からないまま頷いてるだけかもしれないが。
「それじゃ、まずは学院の仲間達を何とかしないとな…。…誰から狙う?」
オペを行うには、それなりにおとなしくしてもらわなきゃいけないだろう。
当然向こうは『ムシ』を取り出されまいと必死に抵抗するだろうし、そうなると戦闘は避けられないかもしれない。
学院の仲間達がどれほど手強い相手であるかは、痛いほどよく分かっている。
その中でも、特に厄介なのは…。
「言わなくても分かってると思うが、令月とすぐりはヤバいぞ」
「…うん、分かってるよ」
イーニシュフェルト魔導学院でも、生粋の武闘派だからな。
元『アメノミコト』の暗殺者として、大人顔負けの実力を持っている。
マシュリほどじゃないが、人の気配や足音にも敏感だからな。
こっそり学院に忍び込もうとしても、すぐに見つかってしまうだろう。
しかも恐ろしいことに、あいつらは俺達を…敵を殺すことに、一切の躊躇いがない。
手加減してやろうとか、容赦してやろうとか、そういう手心は一切ない。
ターゲットを見つけるなり、容赦なく殺しにかかってくる。
個々の実力もさることながら、それ以上に恐ろしいのは、二人の連携。
出会ったばかりの頃、仲違いしていたのが嘘のよう。
あの二人の連携は、キュレム・ルイーシュペアにも匹敵する。
令月かすぐりのどちらかだけなら、まだ何とかなるかもしれない。
だけど、二人揃ったら手がつけられない。
あの二人が揃った状態で相対することになったら、さすがに逃げ切れる気がしない。
勿論、あの二人以外…。イレースやナジュや天音も、充分脅威だけどな。
敵に容赦をしないという点では、イレースも同様。
不死身であることを抜きにしても、ナジュは充分強いし。
天音だって、普段優しそうに見えて、あれでやる時はやるのだ。
…あれ?そう思ったら、なんかやっぱり無理ゲーな気がしてきた。
早くも怖気づき始めている。これは良くない兆候。
「学院に戻ったら、臨機応変に動かなきゃならないことは分かってるよ。でも、私達が最初に狙うのはナジュ君にしよう」
と、シルナはきっぱり言った。
…へ?何でナジュ?
「何か根拠があって言ってるんだよな?」
「勿論だよ」
「じゃあ、その根拠ってのは?」
「ナジュ君が一番…正気に戻ってくれそうな気がしたから」
…はい?