「皆さん、喜んでもらえたようで何より」
リューイは、ケーキを堪能する俺達を満足そうに眺めていた。
…本当にそう思ってる?
「毒入りだということも知らず、チョロい奴ら」とか、腹の中で馬鹿にしてたりしない?
その時、シルナが気づいた。
「あれっ。リューイ君は食べてないの?」
「…私ですか?」
「リューイ君も食べなきゃ駄目だよ。君が買ってきてくれたんだから。ちょっと待ってね、今取り分けるから…。はいっ」
シルナは、ホワイトチョコレアチーズケーキの皿を、リューイに差し出した。
「…」
しかしリューイは、じっとそのお皿を見つめるだけで、手を出そうとしない。
…何で?自分は食べないのか?
やっぱり、なんか変なもん入ってるから?
俺、もう半分くらい食べてしまったんだが。大丈夫なのか?
「さぁさぁ、食べてみて。凄く美味しいよ!」
「…いえ、私は遠慮しておきます」
えっ。
「?何で?チョコ美味しいよ?」
シルナ。誰もがお前のようにチョコレートが大好きだと思うなよ。
「甘いもの、苦手なんですか?」
「いえ…。そういう訳では…」
天音が尋ねても、リューイは返事を濁す。
やっぱり怪しい。
他人には食べさせるのに自分は食べないって。どう考えても地雷じゃないか。
しかし、リューイが言いたいのは、ケーキに毒物を仕込んでいるから自分は食べなく無いとか、そういうことではなく。
「私は天使ですから、天使は人間と違って、食事を摂る必要は…」
「なぁんだ、そんなこと?それを言うなら、私達だってその必要はないよ?」
一定以上の魔力を持つ人間は、体内の保有魔力をエネルギーに変換出来る。
その為、魔力を持たない(or魔力が少ない)人間と違って、食べ物からエネルギーを摂取する必要がないのだ。
天使もそうなんだな。そりゃそうか。
人間の上位互換、みたいな存在なんだろう?天使という奴は。
「嗜好品だよ、嗜好品。甘いもの食べたら幸せな気持ちになれるでしょ?」
「…そういうものですか?」
「そういうものだよ。だからリューイ君も一緒にケーキを、」
「食べる必要がない者が食糧を浪費するのは、食糧の無駄だと思いますが」
「うぐっ…」
痛いところを的確に突いてくるスタイル。
「それに、下界で人間の食べ物など口にしたと知られたら、熾天使様や他の大天使達になんと…」
リューイは、ボソッと何かを呟いた。
「ほぇ?ごめん、今なんて言った?」
「いえ、お気になさらず」
「ほらほら、リューイ君もどうぞ。私達だけ食べてリューイ君が食べないのは駄目だよ。皆で食べると、もっと美味しくなるからね!」
シルナに、強引にケーキを勧められ。
ようやくリューイは、ひとくち、ケーキを口にした。
「どう?どう?…美味しいでしょ?」
「…まぁ、悪くはないですね」
「でしょー!」
何でシルナが得意げなんだ?買ってきてもらった身分で。
…リューイ自身も口にしたってことは、毒物は入ってなさそうだな。
じゃあ、少しは俺も安心して食べられそうだ。
「皆で食べるケーキ、最高に美味しいね〜。やっぱり、後でイレースちゃんにも持っていってあげよーっと」
頭の中お花畑で、にっこにこ顔のシルナを。
「…」
リューイは、ケーキを食べながらじっと見つめていた。
リューイは、ケーキを堪能する俺達を満足そうに眺めていた。
…本当にそう思ってる?
「毒入りだということも知らず、チョロい奴ら」とか、腹の中で馬鹿にしてたりしない?
その時、シルナが気づいた。
「あれっ。リューイ君は食べてないの?」
「…私ですか?」
「リューイ君も食べなきゃ駄目だよ。君が買ってきてくれたんだから。ちょっと待ってね、今取り分けるから…。はいっ」
シルナは、ホワイトチョコレアチーズケーキの皿を、リューイに差し出した。
「…」
しかしリューイは、じっとそのお皿を見つめるだけで、手を出そうとしない。
…何で?自分は食べないのか?
やっぱり、なんか変なもん入ってるから?
俺、もう半分くらい食べてしまったんだが。大丈夫なのか?
「さぁさぁ、食べてみて。凄く美味しいよ!」
「…いえ、私は遠慮しておきます」
えっ。
「?何で?チョコ美味しいよ?」
シルナ。誰もがお前のようにチョコレートが大好きだと思うなよ。
「甘いもの、苦手なんですか?」
「いえ…。そういう訳では…」
天音が尋ねても、リューイは返事を濁す。
やっぱり怪しい。
他人には食べさせるのに自分は食べないって。どう考えても地雷じゃないか。
しかし、リューイが言いたいのは、ケーキに毒物を仕込んでいるから自分は食べなく無いとか、そういうことではなく。
「私は天使ですから、天使は人間と違って、食事を摂る必要は…」
「なぁんだ、そんなこと?それを言うなら、私達だってその必要はないよ?」
一定以上の魔力を持つ人間は、体内の保有魔力をエネルギーに変換出来る。
その為、魔力を持たない(or魔力が少ない)人間と違って、食べ物からエネルギーを摂取する必要がないのだ。
天使もそうなんだな。そりゃそうか。
人間の上位互換、みたいな存在なんだろう?天使という奴は。
「嗜好品だよ、嗜好品。甘いもの食べたら幸せな気持ちになれるでしょ?」
「…そういうものですか?」
「そういうものだよ。だからリューイ君も一緒にケーキを、」
「食べる必要がない者が食糧を浪費するのは、食糧の無駄だと思いますが」
「うぐっ…」
痛いところを的確に突いてくるスタイル。
「それに、下界で人間の食べ物など口にしたと知られたら、熾天使様や他の大天使達になんと…」
リューイは、ボソッと何かを呟いた。
「ほぇ?ごめん、今なんて言った?」
「いえ、お気になさらず」
「ほらほら、リューイ君もどうぞ。私達だけ食べてリューイ君が食べないのは駄目だよ。皆で食べると、もっと美味しくなるからね!」
シルナに、強引にケーキを勧められ。
ようやくリューイは、ひとくち、ケーキを口にした。
「どう?どう?…美味しいでしょ?」
「…まぁ、悪くはないですね」
「でしょー!」
何でシルナが得意げなんだ?買ってきてもらった身分で。
…リューイ自身も口にしたってことは、毒物は入ってなさそうだな。
じゃあ、少しは俺も安心して食べられそうだ。
「皆で食べるケーキ、最高に美味しいね〜。やっぱり、後でイレースちゃんにも持っていってあげよーっと」
頭の中お花畑で、にっこにこ顔のシルナを。
「…」
リューイは、ケーキを食べながらじっと見つめていた。