駄目だ…。イレースに危機感を抱いてもらうつもりが。
むしろ、頼もしい教師仲間みたいになってる…。
「イレースちゃん。イレースちゃんも一緒にチョコレアチーズケーキ食べ、」
「リューイさんがいてくれると、仕事が捗りますね。何処ぞのパンダ学院長の10倍は頼りになります」
「恐れ入ります」
イレースにもケーキを勧めようとしたシルナだったが、手痛いしっぺ返しを食らって撃沈。
仕方ない。日頃の行いって奴だな。
「それでは、私はこれで。明日試験が終わったら、採点するのを手伝ってもらえますか?」
「勿論です。ご協力しましょう」
「ありがとうございます」
そう答えて、イレースは珍しく、非常に満足そうな表情で学院長室を出ていった。
イレースの望み通りに授業計画が進むのが、嬉しくて仕方ないと見える。
そうか…。イレースに味方になってもらいたかったが…。
むしろイレースにとっては、リューイこそが唯一の味方、みたいになってるな…。
「明日、いきなり抜き打ちテストだなんて…。可哀想に。せめて明日の夕食のデザートにチョコをつけて、慰めてあげよう」
と、シルナ。
…それで慰めになれば良いけどな。
多分明日の放課後は、生徒全員、お通夜みたいな空気が漂ってると思うぞ。
ごめんな、生徒達…。俺、イレースを止められなかったよ。
…それもこれも、この得体の知れない天使のせいだ。
俺は、ジロッとリューイを睨んだが…。
「あれっ、羽久全然食べてない。美味しいよこれ。ほらほら、早く食べてみて」
おい、シルナ。俺は今リューイを睨んでるんだよ。
空気を読め、空気を。
「本当に美味しいよ!ミルクチョコのレアチーズケーキなら何度も食べたことあるけど、今回はホワイトチョコ!ホワイトチョコ特有のまろやかな甘さが、酸味のあるレアチーズクリームと絶妙にマッチして…」
食レポやめろ。
「そういう訳だから、ほらっ、羽久もどうぞ」
「…」
…毒の混入を疑わない…でもなかったが。
皆当たり前のように、普通に食べてるし…。
リューイ自身、俺達を毒殺する気があるのなら、イレースのテスト作りに協力したりはしないよな。
…分かったよ。
渋々、俺はレアチーズケーキに口をつけた。
「ねっ、美味しいでしょ?」
「…まぁ、そうだな…」
悔しいけど、王室御用達なだけあって、結構美味しかった。
いかにも甘そうだから、もっとこってりとした甘さがあるのかと思ったが。
意外とあっさり系のケーキだ。
ひとくち食べたら、すぐに次のひとくちを食べたくなる。そんな病みつきになる味。
成程、こうやってシルナを懐柔するんだな。
シルナはケーキ一つで簡単に騙せるだろうが。
俺は、このケーキの美味しさで懐柔されるようなことはないからな。
むしろ、頼もしい教師仲間みたいになってる…。
「イレースちゃん。イレースちゃんも一緒にチョコレアチーズケーキ食べ、」
「リューイさんがいてくれると、仕事が捗りますね。何処ぞのパンダ学院長の10倍は頼りになります」
「恐れ入ります」
イレースにもケーキを勧めようとしたシルナだったが、手痛いしっぺ返しを食らって撃沈。
仕方ない。日頃の行いって奴だな。
「それでは、私はこれで。明日試験が終わったら、採点するのを手伝ってもらえますか?」
「勿論です。ご協力しましょう」
「ありがとうございます」
そう答えて、イレースは珍しく、非常に満足そうな表情で学院長室を出ていった。
イレースの望み通りに授業計画が進むのが、嬉しくて仕方ないと見える。
そうか…。イレースに味方になってもらいたかったが…。
むしろイレースにとっては、リューイこそが唯一の味方、みたいになってるな…。
「明日、いきなり抜き打ちテストだなんて…。可哀想に。せめて明日の夕食のデザートにチョコをつけて、慰めてあげよう」
と、シルナ。
…それで慰めになれば良いけどな。
多分明日の放課後は、生徒全員、お通夜みたいな空気が漂ってると思うぞ。
ごめんな、生徒達…。俺、イレースを止められなかったよ。
…それもこれも、この得体の知れない天使のせいだ。
俺は、ジロッとリューイを睨んだが…。
「あれっ、羽久全然食べてない。美味しいよこれ。ほらほら、早く食べてみて」
おい、シルナ。俺は今リューイを睨んでるんだよ。
空気を読め、空気を。
「本当に美味しいよ!ミルクチョコのレアチーズケーキなら何度も食べたことあるけど、今回はホワイトチョコ!ホワイトチョコ特有のまろやかな甘さが、酸味のあるレアチーズクリームと絶妙にマッチして…」
食レポやめろ。
「そういう訳だから、ほらっ、羽久もどうぞ」
「…」
…毒の混入を疑わない…でもなかったが。
皆当たり前のように、普通に食べてるし…。
リューイ自身、俺達を毒殺する気があるのなら、イレースのテスト作りに協力したりはしないよな。
…分かったよ。
渋々、俺はレアチーズケーキに口をつけた。
「ねっ、美味しいでしょ?」
「…まぁ、そうだな…」
悔しいけど、王室御用達なだけあって、結構美味しかった。
いかにも甘そうだから、もっとこってりとした甘さがあるのかと思ったが。
意外とあっさり系のケーキだ。
ひとくち食べたら、すぐに次のひとくちを食べたくなる。そんな病みつきになる味。
成程、こうやってシルナを懐柔するんだな。
シルナはケーキ一つで簡単に騙せるだろうが。
俺は、このケーキの美味しさで懐柔されるようなことはないからな。