―――――――…深い暗闇の中から、呼び起こされたような気がした。


 

…もう二度と、戻ることは出来ないと思っていたのに。

重い瞼を開けると、そこには真紅の石のようなものが、目の前にふわふわと浮かんでいた。

…不思議な光景だ。

でも、すぐに気づいた。これが何なのか。

そして、その後ろで、信じられないものでも見るように目を見開いていた羽久の姿も。

…そう…そう、なんだね。

…本当に、君達は…。

僕は、そっと手を伸ばして真紅の石を…。

生まれてすぐ、この身体から切り離された、7つ目の心臓を手にした。

「…おかえり。僕の原罪」




これでもう、僕を縛る呪いはなくなった。

あとは思う存分…神竜バハムート、マシュリ・カティアとして力を奮えば良い。

命を懸けて僕を助けてくれた、愛する仲間達の為に。