「あっちにはピラミッドはなかったけど…。さっきまで見てた遺跡とそっくりだ」

と、ベリグリーデ。

…だよな?

「そうなんだ…。…そう言われたら、この場所…。私とジュリス君がいたお墓と、雰囲気が似てる気がする…」

シルナまで。

…お墓?墓にいたのか?ビビリのシルナが?

「一説によると、ピラミッドっていうのは元々墓だって話だからな。…ある意味で、ここも墓場だな」

シルナに同行していたジュリスも、そう言って頷いた。

更に…。

「この流れなら言えますね。…ここ、僕とすぐりさんが彷徨ってた場所にも似てます」

「あっちは無人島のど真ん中、こっちは砂漠のど真ん中…。だけど、注射器の残骸っぽいのも混じってるし、似てるっちゃ似てるかもねー」

えっ。

ナジュとすぐりまで、そんなことを言い始めた。

無人島…注射器?

お前ら、一体冥界の何処を彷徨ってたんだ?

「大量の骨が残されてる…っていう点では、僕とルイーシュが見たのと同じかもね」

と、令月。

「何だって…?令月、ルイーシュ。お前達…こんな骨の湖を見たのか?」

「そうですね。あっちは胃の中、こっちは湖の中ですけど…。まぁ似たようなものでしょう」

俺の問いに、ルイーシュが答えた。

胃の中、っていうのがどういう意味なのか分からないが…。

とにかく、令月とルイーシュが見た場所にも似てるってことだな?

「それじゃあ、もしかして…」

俺は、残る二人のペアに視線を向けた。

天音とキュレムである。

視線を向けられた天音は、ドキッとしたように答えた。

「う…うん。僕も…同じことを思ってた。この場所、僕達が皆と合流する前にいた場所に似てるなって…。あそこにも骨が捨てられてる貝塚みたいな場所があったよ」

マジかよ。やっぱり?

「つーか、まんまじゃん。向こうは湖の底だったけど、こっちは砂漠のど真ん中。さすがにピラミッドはなかったが…。陸か水中かの違いだけで、ほぼ似たような古代都市だったぜ」

キュレムも、天音に同意して言った。

湖の底…?そんなところに古代都市があったのか?

凄いな。皆、てんでバラバラの場所を彷徨っていたはずなのに。

ここに来て、皆して共通点と既視感のある場所に迷い込んだ。

とても偶然とは思えない。

何かあるのだろうか…。繋がりが…?

それに、この場所…どうにも…。

「どうします?もう少し、ここ調べてみます?」

「俺、ピラミッドの中に入ってみたいなー」

「うん、僕も。ミイラに会えるかもしれない」

興味津々の元暗殺者二人組。

…マジで出てきたらどうするんだよ。ミイラ。

でもまぁ、他に目指す場所もないし…。何か見つかるかもしれないし、行ってみるか。ピラミッド。

ピラミッドなんて、実際に中に入るのは初めてだな。

…不気味だぞ。