僕だって、いかなる時でも手段を見つけて、問題を解決出来るのならそうしたいけど。
いつもいつも、何とかなることばかりじゃないからね。
どうしてもどうにも出来ないと思ったら、その時は素直に諦める。
このまま、謎の魔物の胃の中でたんぱく質になるなら、それは仕方ない運命だと諦めよう。
…でも。
諦めるのは、今じゃない。
まだ、やれることは残ってると思うんだ。
「僕は、まだ諦めるつもりないよ」
「えぇ。抵抗するんですか?無駄な努力だったら疲れますよ」
「助かる為にする努力なら、無駄な努力なんて一つもないと思うけど」
例え、最終的に胃の中で溶かされたとしても。
やれることは全部やってから死にたいじゃない?
死ぬ時に「ああしていれば」と後悔することになったら、きっと凄く悔しいと思うんだ。
やれること全部やって死ぬなら、納得して死んでいけるでしょ?
「はぁ…。あなた、大概諦めの悪い人ですね」
「それに、こんなところで、胃液に溶かされて死んだなんて、後で『八千歳』に知られたら笑われそうだから」
もしそうなったら、僕は『八千歳』の中で永遠に、「消化されて死んだ間抜けな奴」として覚えられることになる。
それは嫌だな。
「確かに。俺も、キュレムさんを笑うのは良いですけど、キュレムさんに笑われるのは嫌ですね」
「だったら、助かる為に努力してみない?」
出来る限り抵抗して、やれることは全部やって。
諦めるのは、その後で良いんじゃないかな。
どうしたって、人間、一度しか死ねないんだから。不死身先生以外は。
潔く早々に諦めて死んでも、無様に最後まで足掻いて死んでも、死ぬことに変わりはないのなら。
最後の一秒まで、僕は抗うよ。
「…やれやれ、結局そうなるのか…。…分かりましたよ。もう少し、抵抗してみましょうか」
「うん、ありがとう」
一人より、二人の方が良い知恵が浮かんでくるかもしれないからね。
手伝ってもらえるなら有り難い。
「…と言っても、これからどうします?」
「…そうだね…」
とにかく、まずはここを出ることが先決だ。
これ以上長くここにいたら、僕達もあの肉の塊のように、胃液に溶かされて死んでしまう。
かと言って、気管を這い上がって脱出するのも難しい。
咳でもしてくれたら、ポンッと口から出られそうだけど。
そんなに都合良く、咳してくれるだろうか。
あるいは…。
「…常識的に考えて、生き物の身体で、『外』に繋がってる場所と言えば…」
何箇所かあるね。口とか、目とか。耳とか。
へその穴とか?
とすると…。
「上から出るのは難しい…。じゃあ、いっそこのまま降りていって…。下から出る?」
「それは、相当勇気が要りますね」
「そうだね」
でも、それで出られるなら手段は問わないよ。僕は。
いつもいつも、何とかなることばかりじゃないからね。
どうしてもどうにも出来ないと思ったら、その時は素直に諦める。
このまま、謎の魔物の胃の中でたんぱく質になるなら、それは仕方ない運命だと諦めよう。
…でも。
諦めるのは、今じゃない。
まだ、やれることは残ってると思うんだ。
「僕は、まだ諦めるつもりないよ」
「えぇ。抵抗するんですか?無駄な努力だったら疲れますよ」
「助かる為にする努力なら、無駄な努力なんて一つもないと思うけど」
例え、最終的に胃の中で溶かされたとしても。
やれることは全部やってから死にたいじゃない?
死ぬ時に「ああしていれば」と後悔することになったら、きっと凄く悔しいと思うんだ。
やれること全部やって死ぬなら、納得して死んでいけるでしょ?
「はぁ…。あなた、大概諦めの悪い人ですね」
「それに、こんなところで、胃液に溶かされて死んだなんて、後で『八千歳』に知られたら笑われそうだから」
もしそうなったら、僕は『八千歳』の中で永遠に、「消化されて死んだ間抜けな奴」として覚えられることになる。
それは嫌だな。
「確かに。俺も、キュレムさんを笑うのは良いですけど、キュレムさんに笑われるのは嫌ですね」
「だったら、助かる為に努力してみない?」
出来る限り抵抗して、やれることは全部やって。
諦めるのは、その後で良いんじゃないかな。
どうしたって、人間、一度しか死ねないんだから。不死身先生以外は。
潔く早々に諦めて死んでも、無様に最後まで足掻いて死んでも、死ぬことに変わりはないのなら。
最後の一秒まで、僕は抗うよ。
「…やれやれ、結局そうなるのか…。…分かりましたよ。もう少し、抵抗してみましょうか」
「うん、ありがとう」
一人より、二人の方が良い知恵が浮かんでくるかもしれないからね。
手伝ってもらえるなら有り難い。
「…と言っても、これからどうします?」
「…そうだね…」
とにかく、まずはここを出ることが先決だ。
これ以上長くここにいたら、僕達もあの肉の塊のように、胃液に溶かされて死んでしまう。
かと言って、気管を這い上がって脱出するのも難しい。
咳でもしてくれたら、ポンッと口から出られそうだけど。
そんなに都合良く、咳してくれるだろうか。
あるいは…。
「…常識的に考えて、生き物の身体で、『外』に繋がってる場所と言えば…」
何箇所かあるね。口とか、目とか。耳とか。
へその穴とか?
とすると…。
「上から出るのは難しい…。じゃあ、いっそこのまま降りていって…。下から出る?」
「それは、相当勇気が要りますね」
「そうだね」
でも、それで出られるなら手段は問わないよ。僕は。