「あなたと一緒に生きていたいの。まだ、あなたと同じ未来を見ていたいの」
「…」
「その為なら、自分達の命を危険に晒しても構わないと思うほどに」
スクルトは、僕に答えをくれた。
彼らが冥界に足を踏み入れ、禁忌を犯してまで竜の祠にやって来た理由を。
僕が認めたくなかった、向き合うのが怖くて、必死で目を逸らそうとしていたことを。
「私にも分かるわ。同じ気持ちだから」
「…スクルト…?」
「私もそうよ。…あなたの未来を守りたいの。あなたの明るい、幸福な未来を守りたい。その為に…自分が命を懸けることを厭わない」
…やめてくれ。
「僕はっ…そんなこと、一度も望んでなんか…!」
「あなたの望みじゃない。これは、私達の望みなのよ」
「…!」
僕の…じゃ、なくて。
スクルトや…学院長達、の?
これが…危険に身を晒してまで、僕を生き返らせることが、彼らの望み?
「目を逸らさないで。あなたの命は、まだ終わりじゃない。未来はまだ続いているのよ」
「そんな…。でも…」
「それとも、あなたはもう終わりたいの?生きていたくないの?」
…え…。
そんなことを言われたって…僕は…。
「だって…僕は生きていちゃいけない…。僕の存在そのものが罪だから」
「そうでなければならない。そうあるべきじゃなくて、あなたはどう思うの?」
「…!…僕、が?」
「そうよ。あなたはどうしたいの。生きていたい?それとも、もうおしまいにしたい?」
…僕は。
僕の居場所なんて、この世の何処にもないって…長い間、ずっとそう思い続けて…。
自分の居て良い場所、帰るべき場所を求めて…現世と冥界を、ずっと彷徨い続けた。
何処かに、石を投げられずに生きていられる場所があるかと。
何処かに、誰も僕を罵らずにいてくれる場所があるかと。
…何処かに、僕を必要としてくれる場所があるか、と。
唯一見つけた僕の希望…スクルト…を、この手で引き裂いてしまったあの時から。
そんな場所はないって、思っていた。
やっぱり僕は駄目なんだ。誰にも受け入れられない、存在しちゃいけないんだって…。
…だけど、そうじゃなかった。
シルナ学院長は…羽久は、シュニィは。
イーニシュフェルト魔導学院の皆や、聖魔騎士団の人々は。
僕に居場所をくれた。ここがお前の居場所だから、ここに戻ってこいって。
僕を…大事な、仲間だって言ってくれた。
僕の罪を…僕のものじゃないって。そう言ってくれた…。
本当に嬉しかった。僕も生きてて良いんだって思えた。
これからようやく、幸福な未来が待っているんだって…。そんな未来を、僕が仲間達と共に作り上げていくんだって…。
…そんな希望を、抱いていたのに。
その矢先に、僕は大いなる意志によって…処刑されてしまった。
僕にはもう、未来なんて存在しないんだ。
「…」
「その為なら、自分達の命を危険に晒しても構わないと思うほどに」
スクルトは、僕に答えをくれた。
彼らが冥界に足を踏み入れ、禁忌を犯してまで竜の祠にやって来た理由を。
僕が認めたくなかった、向き合うのが怖くて、必死で目を逸らそうとしていたことを。
「私にも分かるわ。同じ気持ちだから」
「…スクルト…?」
「私もそうよ。…あなたの未来を守りたいの。あなたの明るい、幸福な未来を守りたい。その為に…自分が命を懸けることを厭わない」
…やめてくれ。
「僕はっ…そんなこと、一度も望んでなんか…!」
「あなたの望みじゃない。これは、私達の望みなのよ」
「…!」
僕の…じゃ、なくて。
スクルトや…学院長達、の?
これが…危険に身を晒してまで、僕を生き返らせることが、彼らの望み?
「目を逸らさないで。あなたの命は、まだ終わりじゃない。未来はまだ続いているのよ」
「そんな…。でも…」
「それとも、あなたはもう終わりたいの?生きていたくないの?」
…え…。
そんなことを言われたって…僕は…。
「だって…僕は生きていちゃいけない…。僕の存在そのものが罪だから」
「そうでなければならない。そうあるべきじゃなくて、あなたはどう思うの?」
「…!…僕、が?」
「そうよ。あなたはどうしたいの。生きていたい?それとも、もうおしまいにしたい?」
…僕は。
僕の居場所なんて、この世の何処にもないって…長い間、ずっとそう思い続けて…。
自分の居て良い場所、帰るべき場所を求めて…現世と冥界を、ずっと彷徨い続けた。
何処かに、石を投げられずに生きていられる場所があるかと。
何処かに、誰も僕を罵らずにいてくれる場所があるかと。
…何処かに、僕を必要としてくれる場所があるか、と。
唯一見つけた僕の希望…スクルト…を、この手で引き裂いてしまったあの時から。
そんな場所はないって、思っていた。
やっぱり僕は駄目なんだ。誰にも受け入れられない、存在しちゃいけないんだって…。
…だけど、そうじゃなかった。
シルナ学院長は…羽久は、シュニィは。
イーニシュフェルト魔導学院の皆や、聖魔騎士団の人々は。
僕に居場所をくれた。ここがお前の居場所だから、ここに戻ってこいって。
僕を…大事な、仲間だって言ってくれた。
僕の罪を…僕のものじゃないって。そう言ってくれた…。
本当に嬉しかった。僕も生きてて良いんだって思えた。
これからようやく、幸福な未来が待っているんだって…。そんな未来を、僕が仲間達と共に作り上げていくんだって…。
…そんな希望を、抱いていたのに。
その矢先に、僕は大いなる意志によって…処刑されてしまった。
僕にはもう、未来なんて存在しないんだ。