こうして、行動を共にすることになった僕とすぐりさん。
お互い、相棒とは引き離されたものの…一緒に冥界遠征に来た仲間として、お互いの無事を確認出来たのは大きい。
さて、それじゃ改めて。
「…ここ、何処だと思います?すぐりさん」
「さー。全然分かんないね」
僕とすぐりさんが、今居る場所は。
周囲を植物に囲まれた、さながら…ジャングルのような場所だった。
…冥界に、ジャングルなんてあるんですね。
「ゴリラがターザンしてそうな場所ですね…」
「何?それ」
「いや、こっちの話ですけど…」
少なくとも、この辺りに竜の祠があるとは思えないが…。
何処なんでしょうね、ここ…。
「このジャングルに、天音さん達もいるんですかね?」
だとしたら、植物を掻き分けて探しに行くのは大変そうですね。
すぐ迷子になりそう。
しかし。
「さぁ、気配は感じない…けど、近くに海があるよ」
「え?」
「海の匂いがする」
…そうなんですか?
元暗殺者の嗅覚を見くびってはいけない。
「あっちの方角。ナジュせんせーも感じない?」
「…」
僕もすぐりさんのように、神経を集中させて周囲の匂いを嗅いでみた。
すると、植物の匂いや土の匂いと一緒に、かすかに磯の香りを感じた。
あ、本当だ…。言われてみたら。
「確かに、海っぽい匂いがしますね」
「行ってみる?」
「そうですね…。アテがある訳じゃありませんし、行ってみましょうか」
このままずっとジャングルにいたら、野生動物…ならぬ。
野生魔物に襲われるかもしれませんからね。
僕はすぐりさんと共に、海の方角に向かって歩き出した。
「何だか不気味な場所だねー。ここ」
歩きながら、すぐりさんはそう呟いた。
まぁ…冥界ですからね。
「すぐりさんもそう思います?」
「ナジュせんせーも?」
「えぇ。お化け屋敷か、未開の土地でも歩いてるような気分です」
心がざわざわして落ち着かない、って言うか…。
周りに誰もいないのに、大勢の何者かに常に見張られているような…そんな不安な気分にさせられる。
何なんでしょうね、これ。
…そういえばさっき、すぐりさんに起こされて目を覚ます前。
精神世界で、リリスが僕に何か言ってたような…。
あの時、リリスは僕に何を言ったんだろう…?
などと、考えているうちに。
「ナジュせんせー、見えてきたよ」
「あ、はい…」
鬱蒼と茂っていた植物を掻き分けて、前に進むと。
突然、開けた場所に出た。
より一層、磯の香りが強くなると同時に…生温かい、海の風が頬に触れた。
お互い、相棒とは引き離されたものの…一緒に冥界遠征に来た仲間として、お互いの無事を確認出来たのは大きい。
さて、それじゃ改めて。
「…ここ、何処だと思います?すぐりさん」
「さー。全然分かんないね」
僕とすぐりさんが、今居る場所は。
周囲を植物に囲まれた、さながら…ジャングルのような場所だった。
…冥界に、ジャングルなんてあるんですね。
「ゴリラがターザンしてそうな場所ですね…」
「何?それ」
「いや、こっちの話ですけど…」
少なくとも、この辺りに竜の祠があるとは思えないが…。
何処なんでしょうね、ここ…。
「このジャングルに、天音さん達もいるんですかね?」
だとしたら、植物を掻き分けて探しに行くのは大変そうですね。
すぐ迷子になりそう。
しかし。
「さぁ、気配は感じない…けど、近くに海があるよ」
「え?」
「海の匂いがする」
…そうなんですか?
元暗殺者の嗅覚を見くびってはいけない。
「あっちの方角。ナジュせんせーも感じない?」
「…」
僕もすぐりさんのように、神経を集中させて周囲の匂いを嗅いでみた。
すると、植物の匂いや土の匂いと一緒に、かすかに磯の香りを感じた。
あ、本当だ…。言われてみたら。
「確かに、海っぽい匂いがしますね」
「行ってみる?」
「そうですね…。アテがある訳じゃありませんし、行ってみましょうか」
このままずっとジャングルにいたら、野生動物…ならぬ。
野生魔物に襲われるかもしれませんからね。
僕はすぐりさんと共に、海の方角に向かって歩き出した。
「何だか不気味な場所だねー。ここ」
歩きながら、すぐりさんはそう呟いた。
まぁ…冥界ですからね。
「すぐりさんもそう思います?」
「ナジュせんせーも?」
「えぇ。お化け屋敷か、未開の土地でも歩いてるような気分です」
心がざわざわして落ち着かない、って言うか…。
周りに誰もいないのに、大勢の何者かに常に見張られているような…そんな不安な気分にさせられる。
何なんでしょうね、これ。
…そういえばさっき、すぐりさんに起こされて目を覚ます前。
精神世界で、リリスが僕に何か言ってたような…。
あの時、リリスは僕に何を言ったんだろう…?
などと、考えているうちに。
「ナジュせんせー、見えてきたよ」
「あ、はい…」
鬱蒼と茂っていた植物を掻き分けて、前に進むと。
突然、開けた場所に出た。
より一層、磯の香りが強くなると同時に…生温かい、海の風が頬に触れた。