「ねえ華、ちょっとウワサ聞いたんだけど、ホント？」

ちょうどパパが私にお留守番を頼んで席を外したときのことだった。
そう聞いてきたのは晴斗。
雪斗も興味ありそうな顔だ。

晴斗と雪斗の2人は、なぜか店ではいつもカウンター席の端っこと端っこに座る。
わたしとは話すのに、お互いは全然話したりしない。
不干渉って決めてるみたい。
別に仲が悪いわけじゃないはずなのに、変なの。

でも今日は不思議なことにいつもと違った。
雪斗も晴斗の話に乗ってきた。

「俺も聞いた、そのウワサ。本当か？」

私は混乱する。
えっ、なんのウワサ？
2人とも知ってるくらいウワサになってるの、私？

「ホントも何も、どんなウワサなの？」
「華が二年の岡村先輩と付き合ってるってウワサ」