私、野々村華(ののむら はな)、高校1年。
勉強はちょっと苦手。恋バナには興味あり。派手じゃないけど部活も楽しんでる。
そんなごくごく、普通の女子。

ただほんのちょっとだけ、他の人とは違うところがあるかも。
実は私には、高校に入る前から、はっきり将来の夢があるんだ。

私の夢は、カフェを開くこと。
小さい頃からパパのカフェのお手伝いをするのが大好きだった。
飲みものを作ったり、お菓子を作ったり。それとオムライスとか、パスタも作る。

パパがおいしい料理をお客さんに出したときの、みんなの笑顔。
それが、とっても好きで。
パパのカフェは、お客さんを幸せにできるんだ。
私もいつかそんなカフェがやりたいなって、思ったの。
笑顔にしたい相手がいるから。

その相手?
それは、このあとの話と関係があるの。


将来の夢以外の、もうひとつ他の人と違うところに関わってるんだけど。

それはね……。


今日も放課後にカフェのお手伝いをしてると、お店の扉が開く。
顔を見せたのは2人の男子。

もうひとつ、他の人と違うところ。
それはこの2人のこと。
私にはとびっきりイケメンな、2人の幼なじみがいるっていうことだ。

笑顔を見たい相手というのも、実はこの2人のこと。私のとっても大切な、仲良しの幼なじみだから。