「待たせたな。」

数分後、新庄が着物を片手に部屋へ戻ってきた。

「着替えるといい。…あ、そういえば、昼食はどうする?」

「…食べます」

「そうか。分かった。準備をするからその間に着替えて待っておけ。……もう1人で着替えられるか?」

「はい、ありがとうございます」

新庄が再び部屋を後にした。

ずっと思っていたが、彼は自炊が出来るほど器用なのだろうか。

刀や馬、包帯などの扱いには慣れていそうだが、家事全般を彼がしているところを想像することが出来ない。

……勝手に彼が不器用だと決めつけているだけであるが。




「…あとで、勇気出して聞いてみよう。」