例の事件以来、4日眠っていたモモコは、
その日の朝、瞼をようやく開けた。




こうなったのは私の責任だ。_


と言い、新庄は毎日のように彼女のそばに着いていた。




「モモコ、失礼する」

瞼を開いてボーッと天井を見つめる彼女の姿を見た新庄は、持っていた盆を落としてしまった。



「目が、…覚めたのか…?」

新庄は、落とした盆には目もくれず、モモコの元に駆け寄り、彼女の手を握った。

「…私の名が分かるか?」

「…わた、る……さま…」

「あぁ……そうだ。貴方は悪党に連れ去られて怪我を負わされた。…4日間、貴方はピクリとも動かなかっ
た。」

「……」





「貴方に、誠心誠意謝罪を申したい。」

新庄はそう言うと、正座をしたまま両手を床につき、頭を下げた。



「…申し分ない…。私の愚かな判断で、貴方を危険に晒してしまった。……私を憎み、恨むんだ。」

私は、頭痛に耐えながらも首を横に振った。
頭と枕が擦れる振動さえも頭に響く。




「貴方が完治するまで、私が全責任を持って看病をする。」






ゆっくりと顔を上げた新庄の瞳は、少し潤んでおり、
その眼差しの先にはモモコが居た。