馬が走る些細な振動でも神経に痛みが伝わった。
目を開けようにも、全身が鉛のように重く、体を動かすことがとてつもなく苦痛だった。

意識はあるものの、目の前は真っ暗で何もすることが出来ない。





やがて、柔らかいクッションのような感覚が私を包み込んだ。

きっと城に着き、布団にでも寝かされたのだろう。

左手か右手か、よく分からないが何かの温もりを感じた。








「…すまなかった。私の判断が間違っていた。あの時、共に城へ戻っていれば貴方はこんなことにはならなかった。」

新庄は、包帯が巻かれたモモコの頭にそっと手を添えた。_