規則的な振動で目が覚めた。

どうやら、私は馬に乗っているらしい。

両手が上手く使えない。

手首に硬いものが当たる。
縄で縛られているようだ。

…そうか。私、変な人たちに連れ去られたんだ。



「いたい…」

頭に鈍痛を感じる。
意識を失っていたのは、頭を強く殴られたからだ。
生暖かいものが、頭から額へ伝うのが分かった。


___嗚呼、私はここで終わるんだ。

わたる様に、貴方が好きだってこと、伝えたかったな。

やっぱり、言いたいことはハッキリと言うべきなんだ。





___ここに来てから私は、随分と変わったような気がする。


私の意識は、再び闇に包まれた。